羽毛ふとんの使い方

初めに

近頃、羽毛ふとんは原材料などの価格の高騰。特に天然素材は気候変動も伴い、大変入手困難な状況になっております。

そのためメーカーの既製品などは、ほとんど綿とポリエステルの混合生地や、ポリエステル100%の生地を使った側生地が主流になっております。

しかしながら、「昔ながらの天然素材を使った側生地の羽毛ふとんでなければ」という、お客様の声をたくさんいただき、当店ではこだわりの羽毛ふとんは側生地に天然素材100%(綿や絹など)を使用して作っていただいております。

「側生地が天然素材100%の羽毛ふとん」とポリエステルなどの「化学繊維が使われている羽毛ふとん」では、使い方や特徴が少し異なってきます。

それぞれの使い方と特徴を簡単に説明させていただきます。

スタッフ
スタッフ

寝具の組み合わせによっては、あたたかさが損なわれる場合があるので参考にしてみてください。

「側生地が天然素材100%の羽毛ふとん」の使い方と特徴

昔は、ほとんどが天然素材の側生地で作られていました。残念ながら原材料の高騰も伴い、そういったお布団はかなり少なくなりました。

天然繊維は吸湿性に優れています。また良いダウンは保温性はもちろん吸湿・発散性にも優れています。

そして良質のダウンは寒ければ寒いほど羽枝を目一杯ひろげ、ボリュームたっぷりに膨らみます。

そのふくらみを体におおう事により自分の体温を伝え、あたたかい空気層に包まれることができます。

綿100%の側生地の羽毛ふとんは少し重みはありますが、体にフィットしお布団の中に温められた空気を逃がしにくく、温かさをキープしてくれます。

またシルクは大変軽くしなやかなドレープ性で体にフィットしてくれます。

たっぷりとふくらんだダウンに熱を伝えるには、羽毛を覆っている側生地の熱伝導率が左右されます。綿や絹は大変高い熱伝導率があり、羽毛ふとんと相性抜群です。

「側生地が天然素材100%の羽毛ふとん」に毛布を使う場合

羽毛ふとんを使う上でよく聞くのが「毛布は羽毛ふとんの上に」という言葉ですが、あくまでそれは化学繊維の毛布の場合をさします。

前述にも述べたように、羽毛ふとんのあたたかさを左右するのは、いかにダウンに自分自身の体温を伝えるかが、大きなポイントになります。

化学繊維の毛布は触れた瞬間は温かく感じるかもしれませんが、熱を外に通さないので、せっかくふくらんだ羽毛ふとんに熱を伝えることができません。

毛布を羽毛ふとんの上にのせる事で、毛布が外からの冷気を防いでくれ、あたたかさをキープすることができるのです。

しかし重すぎる毛布は厳禁です。羽毛は大変やわらかいため、重い毛布をかさねるとダウンが十分にふくらむことができなくなり、かさ高がへる分、あたたかさも激減します。

カシミヤやウールなどの天然素材の毛布は中に入れて使っていただいても問題はありません。

「側生地が天然素材100%の羽毛ふとん」に使うカバーについて

化学繊維の毛布は内側に入れない方がいいとなると、近頃よく耳にするあったか毛布カバーはどうでしょう?

もちろん化学繊維のカバーは、化学繊維の毛布を羽毛にまとっているのと同じで、相性はよくありません。

とはいえ冬場に一般的なブロードなどの綿のカバーが掛かった羽毛ふとんでは触れた瞬間から温まるまでが忍耐…

そんな場合は綿毛布カバーやタオルカバーがおすすめです。

綿のわたぼこりが使い始めは出てきますが、毛布いらずのあたたかさです。

「側生地が天然素材100%の羽毛ふとん」に使うパジャマについて

寒がりやさんや冷え性の方に多いのが、モコモコのパジャマだったり、いっぱい重ね着したりと全身をおおってお布団にといった状態です。残念ながら逆効果になってしまっています。

先ほどから何度もお伝えしておりますが、”ご自身の体温を羽毛ふとんに伝える”これが一番大事です。

それには毛布やカバーでお伝えしたのと同様に、パジャマも天然素材のものを使ってください。しっかりと熱を伝えるために重ね着も避けてください。

「側生地に化学繊維が使われている羽毛ふとん」の使い方と特徴

最近では鳥インフルエンザの問題や社会情勢も加わり、従来通りの飼育方法で育てられている水鳥は大変少なくなりました。

そのデメリットを回避するのと同時に天然素材の原料の減少もあり、「T/C」、「TT/C」などのポリエステルと綿の混合生地が主流になりました。

綿の生地と比較すると軽いのが特徴です。

エアコン併用で軽さ重視の方や、布団が体にまとわりすぎるのが不都合な方にはおすすめです。

「側生地に化学繊維が使われている羽毛ふとん」に毛布を使う場合

化学繊維の側生地を使った羽毛ふとんの場合、軽くフィット性が少ないぶん布団と体の間に隙間があったり、寝返りのたびにお布団がズレたりしやすくなります。

そのため天然素材の側生地とは違い、毛布を内側に入れて使った方があたたかくなります。

「側生地に化学繊維が使われている羽毛ふとん」に使うカバーについて

「側生地に化学繊維が使われている羽毛ふとん」これこそあったか毛布カバーとの相性はかなり良いです。

お布団に入った瞬間からあたたく、ムラすようにあたためるので、低体温性の方には向いています。

フリースなどのあったかカバーではムレ感が気になられる方は少し重みのある綿毛布カバーがおすすめです。

だだし綿毛布カバーは使い始めのころはわたぼこりがカバーの内側に溜まりますが、使っていくうちに少しずつ落ち着いていきます。

知らないとビックリする方が多いので要注意です。

「側生地に化学繊維が使われている羽毛ふとん」に使うパジャマについて

「側生地に化学繊維が使われている羽毛ふとん」はお布団と体の間に空間ができやすく、お布団がズレやすくなるので寒がりの方は少し厚地のパジャマをおすすめします。

羽毛ふとんの取り扱い方法

これまでは側生地の素材別にご説明させていただきましたが、次は側生地の素材にかかわらず、次は最も基本的な羽毛ふとんの取り扱い方法をご説明します。

1.収納ケースから出してふくらます

購入した羽毛ふとんは空気を抜いた状態で専用の収納ケースに入れられています。

あたたかな空気をたっぷり吸収できるように、しっかりふくらませてから使ってください。

2.布団カバーを掛けて使ってください

羽毛ふとんにはカバーは必ず掛けてご使用ください。

汚れ防止になります。側生地にキズがつくと中からダウンが吹き出してきます。

またエリカバーを使用する際、安全ピンで止めたり、布団に縫い付けたりしないでください。針穴から羽毛が出てきます。

3.定期的に干してください

羽毛ふとんは水鳥の毛を使用しているので、湿気を含むとニオイやすくなります。

定期的に干し、湿気を飛ばすことにより吸湿性や脱臭効果・かさ高が戻ってきます。

<干し方>

  • カバーを掛けて干し、たたかないでください。側生地や中のダウンを傷めてしまいます。
  • 乾燥した日の午前10時~午後3時に表・裏1時間交代ずつ月に1~2回、日に干しふとん内の湿気を飛ばしてください。日差しがキツイ夏場などは陰干しをおすすめします。
  • ふとん乾燥機をご使用いただくこともできます。

4.収納する場合

ご購入時入っていたケースに入れて保管するか、不織布や風呂敷など通気性の良いものに覆った状態で保管してください。

圧縮袋は使わないでください。

長時間圧縮をかけるとダウンが戻ってこなくなり、かさ高がなくなってしまいます。

ケースに入れずそのまま押し入れなどに収納する場合は、カバーを掛けほかのお布団の下敷きにならないよう注意してください。

<収納場所>

羽毛ふとんは湿気を含みやすい性質を持っているため、湿気の少ない押し入れやクローゼットの上層部で保管してください。

しばらく使わない場合は、必ず干してから収納してください。

長い間収納する場合、カビ、ダニの防止のため時々干してください。

5.お洗濯について

各商品のタグ部分にメーカーさんの取り扱い方法が付いていおりますので、必ず確認して取り扱うようにしてください。

一般的に良質なダウンや良質な生地を使った羽毛ふとんはご家庭では洗えなくなっております。

クリーニングする場合は必ず専門のクリーニング店に出してください。クリーニングの仕方によってはかさ高が極端に変わることもあります。

できるだけ洗わない方が羽毛ふとんは長持ちします。ジュースをこぼしたなどの人の汗以外の汚れがついた場合は、必ずクリーニングに出してください。